Ataman Otel - Kapadokya

ギョレメ（コラマ、マッジャン、アヴジュラル）

ギョレメの教会 | ギョレメ野外博物館 | 修道士、修道女の僧院

ネヴシェヒールから10kmのところにあるギョレメは、ネヴシェヒール－ユルギュップ－アヴァノスを結ぶ三角地帯の中に、周辺を谷に囲まれた地域に位置している。

ギョレメの町はかつて“コラマ、マティアナ、マッジャン、アヴジュラル”と呼ばれていた。ギョレメに関する6世紀の文書において“コラマ”という名が見つかったことから、最古の名はこの名であったであろうと考えられている。この文書では聖ヒエロンが3世紀末にコラマで生まれたこと、マラティアで30人の仲間と共に殉教死こと、自らの手を切り落とし、それを母親の居るコラマまで持ってきたことなどが物語られている。

この切り落とされた聖なる遺物はマティアナ（アヴジュラル）とコラマ（ギョレメ）の近くのカッデサネという名のところにある教会に隠されたとされているが、残念ながらこの場所がどこであるのかは未だに謎である。

コラマ出身の聖ヒエロンはギョレメ野外博物館の中にあるトカル教会で、かなり大きな絵として見る事ができる。

ギョレメとその周辺は、ローマ時代にはベネサル（アヴァノス）の共同墓地として使われていたと考えられている。ギョレメの中心にある記念碑のような“妖精の煙突”の中にある二段式のローマ墓や、その周囲に位置している多数の墓などが発見されていることからこの推測が成り立っている。

中世の初期の段階でキリスト教徒達の重要な宗教の中心地であったギョレメは、11～13世紀の間、アクサライ近郊のモッキソッスに属するカトリック司教の管轄区の中心でもあった。ギョレメとその周辺では修道院、教会、礼拝堂がなどが多数発見されているにもかかわらず、それらが建てられた年代を裏付けるに十分な碑文は見つかっていない。このことによりこれらの宗教的建築物は、その建築の特徴や聖像学の観点により年代が推測されている。

数多くの文明が栄えたカッパドキア地方がヨーロッパ人によって“発見”されたのは18世紀初頭のことであった。

1704年にフランスのルイ14世の命をうけたポール・ルーカスがクズルウルマック川周辺で多くのピラミッド状の不思議な家を見つけ、入口の立派な扉や階段、そして全ての部屋を照らすための大きな窓を発見したことを明らかにした。また、彼は彼自身の想像力によって“妖精の煙突”を“フードを被った聖職者”と見たり、上部の岩を“赤ん坊のキリストを抱く聖母マリア”の様に見立てた。彼はこれらの興味深い岩の家がキリスト教の修道士達の家であると考えた。版画では円錐形をした“妖精の煙突”の先端部分が、人や動物の胸像のように誇張されて描かれている。

1719年ルーカスがカッパドキアの研究を再開したとき、彼はこれらの“妖精の煙突”がカイセリア（現カイセリ）に属する墓であると考えた。ポール・ルーカスの幻想的な解説は、ヨーロッパでは興味と疑いの念によって人々に受け入れられた。

1837年にカッパドキアを訪れたイギリスの旅行家アンスウォードは、この驚きを次のように記している。

“河に沿って延びる谷を越えると、突然円錐形や円柱形をした妖精の煙突の森にたどり着いた。まるで古代都市の廃墟を歩いている様だった。いくつかの円錐形をした岩の先端には様々な形をした大きな岩が乗っており、幻想的な形に見えた。あるものはライオン、あるものは鳥、また別の岩はワニや魚にも似ていた。”

19世紀末にはカッパドキアに関する本の出版や、20種におよぶ様々な研究が行われはじめた。

1907～1912年にカッパドキアでこの地方の調査を行ったフランス人のイエズス会神父、ギョーム・ド・ジェルファニョンは、カッパドキアに存在する岩の教会や修道院、及びそれらの内部に描かれたフレスコ画を体系的に研究し、まとめた。